Gmailに秘められたGoogleの凄い狙い:メールという名のレンタルサーバ

検索エンジン最適化対策の「SEO塾」を運営するライオン丸さんの紹介でGoogleGmailアカウントを取得しました。
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当初はYahoo!とかmsnと同様のフリーメールの一種と思っていました。β版ですのでメインアドレスに使うのは冒険です。とりあえずはサブアドレスのWEBメールとして利用することにしました。
一昔前ならPCのハードディスクに匹敵する2GBという大容量のメールアカウントをどう使うか、用途を考えている内に、Gmailに秘められたGoogleの凄い狙いに気がつきました。アカウントを取得してから気がつくようでは遅いのですが、メールという名称を冠した無料のレンタルサーバなのです。
従来のマスメディアは不特定多数に対して大量の広告を投下。「下手な鉄砲も数撃てば当たる」方式で、良くも悪くもどんぶり勘定です。
一方、インターネットはターゲットをピンポイントで絞り込める「一発必中の狙撃手」方式=One to Oneでありながら大量配信も可能という、理詰めのハイブリッドメディアです。
ユーザーからみたGmailの魅力は、自分のPCに蓄積されている重要なデータをネットの「あちら側」にバックアップしておき、いつでも、どこからでもユビキタス環境で作業ができること。Googleからみると、ネットの「こちら側」にあるPC内のさまざまなデータを、ユーザーの承諾のもとで公然と入手することができるわけです。
アンケート形式で入手したユーザの興味関心についての回答などは嘘がつきもので、時間の経過と共に変化もします。Gmailアカウントでは住所や連絡先などの個人情報は入手できませんが、氏名は特定できます。ネット利用状況をリアルタイムで入手し解析することによって、ユーザーの趣味嗜好や興味関心領域を的確に把握できるシステムなのです。メールのかたちで行き交う大量のデータをGoogleのコンピュータが監視しており、まるで神様のようにすべてお見通しという恐るべき状況=ジョージ・オーエルが予言した未来社会がWEB2.0で現実のものになりました。
キーワードマッチからコンテンツマッチへ市場を拡大する検索連動型広告市場において、大量のユーザーデータを保有し、自社のサーバー内に囲い込んでいるGoogleの広告媒体としての価値は、さらに飛躍的に向上することになります。しかも、広告主と媒体との関係は直取引が原則ですから、既存のアナログ型広告代理店はますます絶滅危惧種へと追いやられてしまいます。恐るべしGoogle、としか言いようがありません。