うどん、そば:和食の老舗「美々卯」の凄さ

「海老天丼セット」ですから「天丼+うどん又はそば」というのは当然ですが、洋風のサラダがセットされているのが当世風。御堂筋の本町から淀屋橋界隈は大手都市銀の本店や支店の集中するオフィス街ですが、金融機関の統廃合により、すっかり様変わりしました。社用族を相手にした老舗飲食店が次々と廃業に追い込まれているのが現状です。社用族のおじさんだけではなく、オフィス街という立地特性に合わせて可処分所得の多い女性OL層を取り込もうという営業戦略が推察されます。老舗らしい店内外のしつらえや、料理の味、店員さんの応対は、さすがと思われるものがあります。
大阪・堺で200年続いた老舗料亭「耳卯楼」を大正13年に先代平太郎が麺類専門店として「美々卯」と改め、1958年3月に株式会社美々卯として設立されたというこの店の凄さは、高級料亭としてお高く止まるのではなく「うどん」や「そば」が庶民の料理であることを認識したうえで、最良の品質を追求する職人魂を継承していることにあると思います。社用族や成金でなければ支払えないような高価な料理が美味しいのは当たり前。「他のお店よりは少し高価だけれど、すごく美味しい」という評価を維持できる限り存続できるでしょうが、少なくとも関西のオフィス街の店舗はかなり厳しい経営状況にあるのではないでしょうか。杞憂であれば幸いです。
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美々卯について
http://www.mimiu.co.jp/mimiu/shop/shop_kansai.html
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