岸和田八木「行基参り」と泉大津濱八町「搗ち合い」他地区にはない独特の祭事のあるだんじり祭

9月と並んで、10月も秋祭のシーズン。岸和田市八木地区と、泉大津市の濱八町地区のだんじり祭には他の地区にはない特長がある。
だんじり祭は一般的に神社の祭礼であるが、岸和田市山手の八木地区では本宮で寺院への参内=行基参りが行われる。
泉大津市の濱八町地区では、だんじり同士を激しくぶつけあう搗ち合い(かちあい)という祭事が見所。
だんじり祭は関西各地で行われているが、このふたつの地区は中でもユニークな希少価値の高い祭である。

ここ数年楽しみにしている濱八町だんじり祭を10月8日、岸和田山手で行われる八木だんじり祭の行基参りは10月9日に見学。
濱八町は、昨年の事故の影響か、今年は少し控えめの感じ。それでも、搗ち合いが上手く成功したときの激しい衝突音は迫力がある。


9日は行基参りを見学。神社ではなくお寺に参内するという情報は、実は、私も今年はじめて岸和田市のHPで知った。大阪府最大級の溜め池・久米田池は、奈良時代の僧侶・行基が開削した。行基参りはその遺徳に感謝する祭礼である。行基のお堂のある久米田寺は高台にあり、久米田池のすぐ隣。海側のふもとから坂道を上がってきた各町のだんじりが、境内に向かって寺入りする光景はなかなか見応えがある。
久米田池側の道路から、かなり猛スピードでやり回しして、一気に境内の金堂前へ突進する。大屋根の上の大工方が、前のめりになって数歩スキップしてしまうほどの速さである。次々と参内しただんじりが、境内に13基。一同に並んでいる光景が美しい。


すべて寺入りした後の休憩時、今木町のだんじりの大屋根の上に小さな子供たちが登っていた。大工方のしぐさを真似しているが、結構サマになっているのが微笑ましい。