著作権侵害訴訟のリスクは覚悟の上、GoogleのYou Tube買収

GoogleYou Tube買収が業界で大きな話題になっています。著作権侵害訴訟のリスクを云々する論評がありますが、そのリスクを承知の上で敢えて買収したという点にGoogleGoogleらしさがあるというべきでしょう。
ライブドア楽天村上ファンドなどによる企業買収問題の際には、企業は誰のものかという問いに対して「企業は株主のものであるのは自明。買収されるのが嫌なら上場するな」という乱暴な論理が横行しました。
「会社概要>Googleの理念」に記載されている「Google が発見した 10 の事実」のトップに掲げている下記の文言でも明らかなように、この問題に関してのGoogleの姿勢は「企業はユーザーのものである」という視点で首尾一貫しています。「世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすること」つまり、世界中の誰もが、いつでも、どこからでも、知りたい情報を手に入れ活用できるようにすることを企業の使命とするGoogleにとって、アンシャンレジュームからの抵抗=著作権侵害による訴訟リスクは覚悟の上のはず。株主の顔色を見て躊躇するようではGoogleらしくありません。
梅田望夫さんは「圧倒的に正しい戦略が迅速に執行された」と評価していますが、論理的必然の結果というべきでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061009/p1

Googleの理念
http://www.google.co.jp/corporate/tenthings.html
1. ユーザーに焦点を絞れば、「結果」は自然に付いてくる。
Google は、当初からユーザーの使い心地を第一に考えてきました。顧客を最も重要視していると謳う企業はたくさんありますが、株主にとっての企業価値を高める誘惑に負け、犠牲を払う会社企業も少なくありません。Google は、サイトを訪れるユーザーの利益にならない変更は一貫して拒否してきました。(中略)
Google は、常にユーザーの利便性を第一に考えて行動した結果、ウェブの世界に熱心なファン層を築き上げることができました。その発展は、テレビ コマーシャルなどを通じてではなく、満足しているユーザーの口コミを通じて実現されたものです。

2005年1月の創設以来、YouTubeは急成長。Alexa Global Top 500では、第9位のYahoo!JAPANに次ぐ第10位にランキングされています。Google にとってYouTubeはライバルであると同時に、「テレビ コマーシャルなどを通じてではなく、満足しているユーザーの口コミを通じて」ウェブの世界に熱心なファン層を築き上げた「同志」的存在でもあるのです。
ちなみに「ネットとTVの融合」に関連して我が国で話題のGyaOは、Alexa Global Top 500では数値不明のランク外。島国JAPANのローカルサイトにすぎないようです。

Alexa Global Top 500
1.Yahoo!
2.msn
3.Google
4.Baidu.com(百度)
5.qq.com
6.Myspace
7.sina.com
8.Windows Live
9.Yahoo.co.jp
10.YouTube

Alexa Global Top 500ランキングで、もうひとつ注目したのが中国系WEBサイトの台頭。
Baidu.com qq.com sina.com 3サイトがTOP10にランクインしています。
■4位.Baidu.com(百度):中国の検索エンジントップ、Googleが出資
http://journal.mycom.co.jp/news/2004/06/16/009.html
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%C9%B4%C5%D9/detail.html?LINK=1&kind=epedia
■5位.qq.com:コミュニティ(チャット)サイト
http://journal.mycom.co.jp/articles/2004/10/29/qq/001.
■7位.sina.com:中国最大級のWEB関連企業 NASDAQ上場
http://japan.internet.com/ecnews/20020416/12.html