なんなんのために買ってでました:大西ユカリ

通称ミナミ・大阪市南部の繁華街、地下鉄・南海電車なんば駅で面白いキャンペーンにであった。チョイワルどころかカナリワルの面構えをした女性をメインビジュアルに、「なんなんのために買ってでました」というキャッチフレーズを大きくあしらったOOH広告である。



土地勘のない方には、ビジュアルやコピーで何を訴求しようとしているかさっぱり分からないかも知れないが、キャンペーンの狙いは明白。「なんなんタウン」というミナミで老舗の地下街のリニューアルOPENの告知である。
ミナミでは、シネマコンプレックスと若者向けショッピング施設・マルイを核店舗にした都心型SCが今秋誕生。マルイの店舗は全国でも最大級のようだ。これに危機感をいだいた既存商業施設も、リニュ−アルで必死の対抗策を講じているが、今回のキャンペーンはその一環。
「なんなん」タウンは大阪市の地下街の中でも老舗に属するが、別の視点から見ると、時代に取り残された「ダサイ」イメージが否めない。今回のキャンペーンは、その事実を認めた上で反撃を試みたものだ。
イメージキャラクターを「買ってでた」大西ユカリ大阪府富田林市出身のソウルシンガー。大西ユカリと新世界というユニットを率いるリーダーでもある。全国ブランドではないけれど、歌謡曲からロック・ソウルまで幅広いジャンルの歌をこなす実力派の歌手であり、地元・大阪では知名度も高い。
大西ユカリ:プロフィール/下記URLのインタビュー記事参照
http://escala.jp/Entertainment/interview/051130/
大西ユカリ公式HP:ハッスルレコーズドットコム
http://www.hustle-records.com/

マルイを「モーニング娘。」とすれば、なんなんタウンは「大西ユカリ」。相手は若くてキレイ。人気・知名度も上かも知れないけれど、実力では負けたくない。ファッションセンスでもポット出の若いもんには負けないよ、というのがキャンペーンのコアメッセージである。キャスティングからクリエイティブに至るまで「プロの仕事」を感じさせる見事なプロモーションだ。