Google検索ワードランキングZeitgeistに表現された「時代の空気」

Yahoo!の2006年検索ワードランキングは別稿で紹介したとおりであるが、キーワ−ド検索の本家Googleでも検索ワードランキングZeitgeistを公表している。
Zeitgeist は the spirit of timeに相当するドイツ語。直訳すれば「時代精神」ということになるが「時代の空気」とでも翻訳すべきだろうか。いずれにしろ、英語ではなくドイツ語で表現しているあたりに、単なる検索ワードランキングではなく、世相や歴史・時代の潮流が反映されているのだというGoogleの自負やこだわりが感じられて微笑ましい。

2006年および前年2005年と2001年の年間グローバルランキングは下表のとおり。

Google ZeitgeistGoogle.com年間検索ワードランキング

2006年 2005年 2001年
1. bebo 1. Myspace 1. nostradamus
2. myspace 2. Ares 2. cnn
3. world cup 3. Baidu 3. world trade center
4. metacafe 4. wikipedia 4. harry potter
5. radioblog 5. orkut 5. anthrax
6. wikipedia 6. iTunes 6. windows xp
7. video 7. Sky News 7. osama bin laden
8. rebelde 8. World of Warcraft 8. audiogalaxy
9. mininova 9. Green Day 9. taliban
10. wiki 10. Leonardo da Vinci 10. loft story

※2006年データ:http://www.google.com/intl/en/press/zeitgeist2006.html
※2005年データ:http://www.google.com/intl/en/press/zeitgeist2005.html
※2004年データ:http://www.google.com/intl/en/press/zeitgeist2001.html


2006年のランキング2位:myspaceは、snsの本家として日本にも上陸しようとしているが、1位:beboはほとんど馴染みがない。識者の情報によれば学生専用のsnsである。myspaceが人気のあまり、法的規制の対象になりそうだということで、ユーザーがmyspaceからbeboへ移行しようとしているようだ。日本のmixiと同様に、20歳代の若者を中心にしたsnsが世界的にもインターネットの中核となっている状況が伺える。
インターネットのグローバルブランドYahoo! Googleはもちろん、我が国のネットベンチャー創始者の年齢は20歳代が中心であり、ネットは若者文化のリーディングメディアとしてのDNAが色濃いことが再認識される。
航空機による自爆テロのあった2001年のランキングワード cnn:world trade center:anthrax:osama bin laden:talibanは、単なる検索ワードランキングではなくZeitgeistという言葉にふさわしい。ちなみにanthrax炭疽菌を意味すると同時にロックバンドの名称でもあるらしい。
2006年のGoogle Zeitgeistや1位bebo・2位myspace に関しては、下記のサイトで的確に解説されている。

■2006 Year-End Google Zeitgeistに関する日本語での解説
MYCOMジャーナル:湯木進悟氏
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/12/19/386.html
■2006 Year-End Google ZeitgeistトップBebo 2位MySpaceについての詳細な分析
山崎秀夫氏/ 日本ナレッジマネジメント学会専務理事
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=1409
英語圏テーンエージャー文化のリーディングメディアとしてのMySpace:現状と問題点
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/MySpace