懲りないけれど、結構イケてるSonyのバズマーケティング【FLO:Q】

Sonyのバズマーケティングといえば例のブログ炎上事件が有名であるが、懲りずに挑戦を続けているようだ。
最近、たまたま遭遇したのが、ブログパーツFLO:Q】。ネーミングの由来はフローク=付録。
http://floq.jp/top
おもしろいね、使えそうだね、という感じがする。公式リリースは昨年2006年10月。アクティブなブロガーにとっては周知であろうが、1年を経過して、私のようなフォロワー層にも認知される存在になってきたわけだ。こうして紹介していること自体が、バズマーケティングの成果でもある。
「多機能型デザイナーズ・ブログパーツ」と称しているとおり、単なる飾りものアイコンではない。 Flashによる音声付き動画はもちろん、アフィリエイトソーシャルブックマークRSSリーダー等の機能が盛り込まれており、ブログネットワークの中で「増殖」させるための周到な仕掛けが施されている。
ブログパーツを選んで貼付けるだけではなく、自分でオリジナルパーツを作って投稿できるというのもユーザ心理のキモを押さえた機能であろう。
大手ブログサービスのほぼすべてに対応しているが「はてな」には対応していないのが残念である。
ラクガキでつながろう♪ 「みんなのラクガキ」もWEB2.0的な楽しい仕掛けである。
http://blog.floq.jp/support/summary/409_rakugaki/
現状はWEB上のバーチャルな壁にペインティングしているが、ビルの壁や大型スクリーンなどのリアルなキャンバスに描けばOOH広告と連動したクロスメディア展開が可能になるはずだ。
ネットを活用した当世流行のバズマーケティングであるが、要はクチコミであり大昔からある古典的な販促手法に過ぎない。
Sonyの場合は、1979年のWalkmanデビュープロモーションがよく知られている。
社内で猛反対があったのを、トップの鶴の一声で押し切って開発・発売したいわくつきの商品である。いつでもどこでも音楽を楽しめる、という新しいライフスタイルを実現する商品の魅力を認知理解させるためにはマス広告だけでは不十分という観点から、新商品を身につけた学生アルバイトを大量動員して街頭を闊歩させるデモンストレーションを敢行。パブリシティやクチコミにより話題性を高め、ブームに火をつけたのだ。
やらせといえばやらせであり、手法として問題がないとはいえないが、一般庶民・大衆の共感を得る魅力があったからこそ成功したといえるだろう。「近頃、都に流行るもの」という四条河原の落書きにも示されたように、クチコミのチカラは巨大であり、権力者の手に負えないことは古今東西変わらない。
<追記>
検索してみたところ「FLO:Q(フローク)」を開発したソニー竹下直孝さんのインタビュー記事が見つかった。開発意図の詳細が語られているので紹介しておきたい。
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164435/15572953