アップルiPhone 3Gを使用した実感:本質はやっぱりパームトップパソコン

アップルiPhone 3G、発売当初から欲しかったのですが、2年間で約20万円の負担はちょっと重く、結局あきらめていました。ところが8月上旬にGoodニュース。「パケット定額フル5,985円の一律料金体系から、利用パケット数に応じて変動する2段階定額制に改定。月額通信料金が2,990円から」になるという。
ほぼ半額になるという訳だ。
近所のソフトバンクモバイル売店に電話したところ「在庫がある」とのこと。
「インターネット広告も、これからはモバイルの時代」とか何とか自己問答しつつ、結局、買ってしまいました。
女房は案の定カンカン、子供たちには顰蹙を買いながら、実際に使ってみての感想をいくつか。


1)携帯電話のようなふりをしているけれど、本質はパームトップパソコン
事前に予測していたとおり、本質は手の平サイズで持ち運びができるパソコンというのが率直な印象です。
「インターネットもできる携帯電話」という他社商品に対して、iPhone 3Gは「電話もできるパソコン」。携帯電話という同じカテゴリーでくくること自体に無理がある、全く異質なポジションの商品です。
公認サイト・非公認サイトの区別や、メーカーが自由に機種を開発できない等、ガラパゴスと揶揄される日本独自の携帯電話市場。ドコモ・auソフトバンクというキャリアに支配されるマーケットに、iPhone 3Gはユーザ主権=web2.0の突破口を開く存在になるでしょう。
大昔にワープロという文書作成特化型のパソコンがありましたが、いつのまにか市場から消えてしまいました。ネット接続のプロバイザを選べるパソコンと同様に、携帯の機種&キャリアを自由に選べるという選択肢があればマーケットの状況は大きく変わると思います。


2)購入早々のトラブル:パソコンiMACiPhone 3Gの同期ができない「原因不明のエラー」
本質はパームトップパソコンと実感したのは、購入早々のトラブルです。利用しているiMACiPhone 3Gを同期しようとしたところ、「原因不明のエラー」がでてフリーズしてしまいました。
ソフトバンク売店やアップルの技術サポート等に相談したところ、私のパソコンiMACPowerPC プロセッサ: OS X 10.4.11)でClassic 環境を併用しているのが原因と判明。Classic 環境を停止したところエラーが解消されたが、iPhone 3Gは初期化せざるをえなくなった。
初期化してiMACと同期した状態のiPhone 3Gでのメール環境は、パソコンiMACのメール環境と同じ。
電話機能は使えるが、携帯電話としてのメールアカウント○○○○@i.softbank.jpは再度設定しなおす必要がある。
別の言い方をすると、メールアカウント○○○○@i.softbank.jpをわざわざ新規に設定しなくても、iPhoneからパソコンのpopアカウントを使ってメール送受信ができるのである。マルチアカウントシステムのため、GmailYahoo!のフリーメールももちろん使用OKだ。


3)優れた商品とはいえ、携帯マーケットでの市場占有率拡大には限界
迷惑メールを防止するために、現在の携帯電話はパソコンからのメールを受信しない初期設定になっています。
iPhone 3Gのメール配信元はパソコンからになるので、ドコモやauの携帯電話へのメールは事実上配信できないという大きなウイークポイントがあります。相手のメールの受信設定を変更してもらう必要があるため、メールアドレスが変わりましたという連絡だけでは済まないのです。
ただし、ソフトバンクの携帯であれば、日本のメーカー機種とiPhoneとの間でもメール送受信はOK。フリーメール=SMSでの送受信もOKであるが、同一キャリア=ソフトバンクの携帯に限定される。欧米とは異なるメール文化が普及している日本では、SMSの利用者比率が少ないと思われる。

このため、メールを頻繁にやりとりするユーザーにとっては、現在の携帯は手放せないという結論になる。一般的には2台目の携帯として活用するというのがメインユーザーイメージかと思います。
ワンセグが受信できないとか、絵文字が文字化けするとかの理由等もあり、携帯マーケットでの市場占有率を伸ばすには残念ながら限界があるでしょう。


ソフバンクの電波カバーエリアの限界なのか、帰省して田舎に帰ったときはネット接続ができなかった。自宅の中でも場所によっては「接続できません」といったエラーがでる。
「電池の消耗が早い」という重要な問題点もあるが、iPhone 3Gはよくも悪くもアップルらしい商品として楽しませてくれそうだ。