「You Tube」「Yahoo! 動画」「ニコニコ動画」の媒体パワーとユーザ構成比較

ヤフーの「2008年上半期検索ワードランキング」によれば、1〜6月に最も検索されたワード1位は「YouTube」。2007年ランキング1位の「mixi」は2位。以下、3位・2ちゃんねる、4位・Google、5位「ニコニコ動画」となっている。
ニコニコ動画」は前年の9位から5位にランクアップした。上位5位のうち西村博之さんが関わっている2サイトがランク入りしていることにも注目しておきたい。
http://searchranking.yahoo.co.jp/ranking2008firsthalf/


ユーザの興味関心を集めているインターネット動画の専門サイト「You Tube」「ニコニコ動画」の媒体特性はどうだろうか。メガポータルのサブコンテンツ「Yahoo! 動画」も併せて比較対照してみた。
データ出処は、各ウェブサイトの媒体資料。第三者機関による客観的な数値比較ではないので限界はあるが、媒体特性を推察する参考資料にはなるだろう。


1)ユニークユーザ数でのトップは「YouTube」。月間ページビューでは「ニコニコ動画」がトップである。
Yahoo! 動画」はユーザ数2位であるが、専門サイトと比較するとページビューが少ない。

■媒体パワー

媒体 ユニークユーザ 月間ページビュー
You Tube 1,800万人 14億1,000万PV
Yahoo! 動画 1,300万人 2億2,230万PV
ニコニコ動画 860万人 19億5,000万PV

注記)
ニコニコ動画」の月間PVは、媒体資料に記載されている1日あたり約6,500万PV×30日で試算した数値。


2)男性ユーザが多く、60%〜70%のシェア。
各サイト共に男性が多い。サイトに掲載されているコンンテンツにエンタメ系が多いせいもあってか、60%〜70%のシェアを占めている。

■ユーザプロフィール:性別

媒体 男性 女性
You Tube 58.7% 41.3%
Yahoo! 動画 63.4% 36.8%
ニコニコ動画 71.1% 28.9%

………………………………………………………………………………………
インターネット動画系3サイトの媒体特性で、大きな違いが見られるのがユーザの年齢構成である。


■ユーザプロフィール:年齢

媒体 10代 20代 30代 40代 50代以上
You Tube 25.0% 12.2% 23.3% 25.5% 14.0%
Yahoo! 動画 7.1% 18.4% 28.5% 22.9% 23.3%
ニコニコ動画 27.0% 47.0% 18.0% 8.0%

注記)
ニコニコ動画」の年齢は40代以上がひとくくりになっており、構成比率は50代以上も含めて合計8%。


3)「ニコニコ動画」は20代が47%と約半数、10代・20代の若いユーザが約80%。
ニコニコ動画」は20代が47%と約半数。10代・27%と合わせると、80%弱が29歳以下。40歳以上は10%に満たない。動画にコメントを書き込みできる機能を有しており、有料会員制のため掲示板・SNS的な使われ方をしていると思われる。


4)「You Tube」は10代が25%を占めるが、30歳以上が約60%あり、中高年層も多い。
一般的なイメージとしては、「You Tube」も「ニコニコ動画」と同じようなユーザ構成かと思われがちだが、実際は異なる。10代が25%を占めるが、30歳以上が約60%ありシニア層にも親しまれていることが推察される。


5)「You Tube」の20代シェアが10%強しかない背景は、「ニコニコ動画」にブランドスイッチされたためか。
20代では「ニコニコ動画」が圧倒的人気を集めているのに対して、逆に「You Tube」の20代が12%強の数値しかないことが気になる。日本でブームなった当初は「You Tube」に集まった20代のユーザが、「You Tube」離れをした。ポピュラーになりすぎたために、よりアングラっぽい「ニコニコ動画」にブランドスイッチされたと推察されるからだ。であれば、現在25%を占める10代も「ニコニコ動画」に移行してしまうのではないかと懸念される。


6)「Yahoo! 動画」は、50代以上のユーザが約1/4を占める。
若い世代の多い専門2サイト「You Tube」「ニコニコ動画」に対して、「Yahoo! 動画」は各年代層にバランスのとれた構成。30歳以上も約3/4以上を占めており、シニア層にも親しまれているようだ。
50歳以上のユーザをより詳細にみたデータが下記。


Yahoo! 動画:50歳以上のユーザプロフィール

媒体 50〜59歳:男 60歳以上:男 50〜59歳:女 60歳以上:女
Yahoo! 動画 10.8% 8.0% 5.2% 1.3%

50代以上のユーザ約1/4のうちで、60歳以上が男女で約10%を占めている。団塊世代を核にしたシニアマーケット向けの金融商品向けの広告媒体としても有効と推察される。