視聴時間は「ニコニコ動画」が断トツ。「You Tube」「Yahoo! 動画」「ニコニコ動画」の媒体特性：続編

インターネット動画の専門サイト「You Tube」「Yahoo! 動画」「ニコニコ動画」について、前回は各ウェブサイト発行のメディアシートを元にして媒体特性を検証した。
http://d.hatena.ne.jp/popoya/20080830

今回は別の角度、第三者機関＝ビデオリサーチインタラクティブのインターネット視聴動向データにより、媒体特性を比較対照してみる。
家庭内PCからアクセスしている、全国で約1万3,000人のモニターによるサンプル調査である。企業や職場からのアクセスは集計対象外である。
「人口統計に基づいて日本のインターネット利用者の縮図」になるように設計されているようであるが、媒体特性を把握するための参考資料として理解しておきたい。
単月では誤差が大きくなる可能性があるので、2008年5月1日〜7月31日：3か月のネット視聴動向データを取り上げている。

「You Tube」「ニコニコ動画」「Yahoo! 動画」に加えて、今回は「GyaO」「AmebaVision」「MSNビデオ」のデータも含めている。

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■インターネット動画サイト　視聴動向　（ビデオリサーチインタラクティブ調査）
2008年5月1日(木)〜2008年7月31日(木)

ドメイン名	推定接触者数	接触者率	平均接触回数	推定視聴ページ	平均視聴ページ	平均滞在時間
jp.youtube.com	15,397	35.6	9.4	2,712,240	176.2	3:00:48
nicovideo.jp	8,172	18.9	14.8	2,274,605	278.3	4:35:53
gyao.jp	6,920	16	6.7	468,174	67.7	1:17:34
streaming.yahoo.co.jp	3,433	7.9	5.7	32,493	9.5	0:04:35
vision.ameba.jp	2,087	4.8	1.9	13,688	6.6	0:07:56
video.msn.com	1,680	3.9	1.9	5,157	3.1	0:03:00

※推定接触者数[千人]　推定視聴ページ[千ページ]

1）アクセスユーザ数でのトップ3は1位「YouTube」、2位「ニコニコ動画」、3位「GyaO」。

4以下の「Yahoo! 動画」「AmebaVision」「MSNビデオ」は、トップ3とはユーザ数でもかなり格差がある。「Yahoo! 動画」よりも「GyaO」がユーザ数では上位のようだ。

2）推定視聴ページの1位は「YouTube」であるが、平均視聴ページの1位は「ニコニコ動画」。

各ウェブサイト発行のメディアシートによる前回のレポートでは、視聴ページトップは「ニコニコ動画」としていたが、第三者機関＝ビデオリサーチインタラクティブのデータではトップ「YouTube」。ただし、平均視聴ページの1位は「ニコニコ動画」である。
「GyaO」は「YouTube」「ニコニコ動画」よりも早く動画サイトを開設した先駆者であるが、一桁数字が少ない3位。登録会員数が延べで2,000万人を超えたようであるが、人気は「YouTube」「ニコニコ動画」に移ってしまっているようだ。4位以下はさらに桁違いの数値。

3）平均滞在時間は、「ニコニコ動画」が断然トップ。2位「YouTube」は差のある2位。

平均滞在時間をみると、各サイトの特性はより顕著になる。「ニコニコ動画」が断然トップで、2位「YouTube」は約2/3程度。
コメントを書き込みできるサイトの仕組みが、滞在時間や視聴ページの増加に寄与しているのは明らか。熱心なユーザやファンが多いということだろう。

視聴率動向の主要データをみるかぎりでは、「YouTube」「ニコニコ動画」がインターネット動画サイトの2強。かなり差のある3位が「GyaO」。4位以下は、ちょっとツライねといったところだ。

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■性・年齢構成別に見たユーザ構成

各ウェブサイト発行のメディアシートをもとに媒体特性を比較検討した前回のブログでは、ユーザ構成について下記のようにコメントした。

「ニコニコ動画」は20代が47％と約半数、10代・20代の若いユーザが約80％。「You Tube」は10代が25％を占めるが、30歳以上が約60％あり、中高年層も多い。20代シェアが10％強しかないのが気になる。

今回、比較検討のベースにしたビデオリサーチインタラクティブのデータでは、20代のユーザについて「ニコニコ動画」と「YouTube」の極端な違いは見受けられない。

媒体「ニコニコ動画」「YouTube」がセールスシートで公表しているユーザプロフアイルが、何をベースにしているのか。登録ユーザデータなのか、ユーザアンケート回答なのか。メディアシートを見る限りで不詳である。ちなみに、「Yahoo! 動画」についてはアンケート回答であることが明記されている。
一方、ビデオリサーチインタラクティブのデータはモニターによるサンプル調査である。モニターは、インターネット人口の縮図となるように設計されているはずだが、自ずと限界がある。家庭のPCからアクセスしているモニターによるデータのため、職場や学校のPCからアクセスしている若者たちの比率が中高年層と比べて少ないのではないか、という懸念がある。

ユーザ構成については、各メディア公表データの方が信頼性が高いと思うけれど、性・年齢別のユーザプロファアイルを参考資料として示しておく。

「Yahoo! 動画」「GyaO」「MSNビデオ」は50歳以上のシニア層の比率が高い。別のいい方をすると、成長の余地が少ないと思われる。
タレントブログで躍進中のアメブロを運営するサイバー・エージェント系の「AmebaVision」は、「ニコニコ動画」に似た年齢構成になっている。「GyaO」よりも「AmebaVision」の方が、ユーザー数を増やしていくかも知れない。

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【男性】年齢別ユーザ構成　（ビデオリサーチインタラクティブ調査）
2008年5月1日(木)〜2008年7月31日(木) 　
○jp.youtube.com

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
15,397	871	729	957	1,197	1,083	1,040	744	1,772
100%	5.66%	4.73%	6.22%	7.77%	7.03%	6.75%	4.83%	11.51%

○nicovideo.jp

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
8,172	650	548	676	818	568	525	406	669
100%	7.95%	6.71%	8.27%	10.01%	6.95%	6.42%	4.97%	8.19%

○gyao.jp

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
6,920	202	241	299	559	553	515	389	1,170
100%	2.92%	3.48%	4.32%	8.08%	7.99%	7.44%	5.62%	16.91%

○streaming.yahoo.co.jp

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
3,433	77	60	173	263	306	319	245	655
100%	2.24%	1.75%	5.04%	7.66%	8.91%	9.29%	7.14%	19.08%

○vision.ameba.jp

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
2,087	135	90	132	199	194	144	135	183
100%	6.47%	4.31%	6.32%	9.54%	9.30%	6.90%	6.47%	8.77%

○video.msn.com

個人全体	男15〜19才	男20〜24才	男25〜29才	男30〜34才	男35〜39才	男40〜44才	男45〜49才	男50才以上
1,680	38	48	96	139	92	98	148	428
100%	2.26%	2.86%	5.71%	8.27%	5.48%	5.83%	8.81%	25.48%

※推定接触者数[千人] 　推定視聴ページ[千ページ]

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【女性】年齢別ユーザ構成　（ビデオリサーチインタラクティブ調査）
2008年5月1日(木)〜2008年7月31日(木)

○jp.youtube.com

個人全体	女15〜19才	女20〜24才	女25〜29才	女30〜34才	女35〜39才	女40〜44才	女45〜49才	女50才以上
15,397	885	791	612	689	622	611	494	752
100%	5.75%	5.14%	3.97%	4.47%	4.04%	3.97%	3.21%	4.88%