TV番組:阪神・淡路大震災と「神戸新聞の7日間」

今日1月17日は、阪神・淡路大震災から15年。「神戸新聞の7日間」というTV番組を、関西テレビで昨日夜に見た。
2時間あまりの番組であったが、構成も緻密で見応えがあった。
大震災によって新聞編集のコンピュータが破損し、新聞発行が出来ない危機に遭遇。地震・火災等の重大な危難が生じた場合、相互に助け合うという京都新聞との提携契約に救われ、新聞発行を継続した事実を元にしたドキュメンタリーである。
新聞を制作する記者やカメラマンの視点からだけではなく、裏方の印刷工場や各家庭に配達する販売店の視点からも描かれており、優れたドラマになっている。カメラマン役で主演した嵐・櫻井君も好演。


番組の中で、とりわけ印象深かったのは、被災したベテラン記者が書いた「被災者になってわかったこと」という社説。老いた父親が、倒壊した家屋の下敷きになって救助できなかった記者の心境を綴ったものである。社説といえば退屈で無味乾燥な文章の典型であるが、この記者の書いた社説は全く別もの。こころに沁みるものがある。
被災者の救助風景を撮影しようとして、非難されるカメラマン。そのカメラマンたちが、内心の葛藤と戦いながら撮影した写真の数々。友人のデスマスクや、母親の骨を集める少年という悲痛な写真がある一方で、ボランティアに励む子供たちのはじけるような笑顔の写真もある。


震災当日は、我が家でもかなり激烈な揺れがあった。
NHKテレビのNEWSで放映された被災風景も衝撃的であった。空から俯瞰した火災の風景や、高速道路が倒壊した風景は今も記憶に残っている。


神戸市は、学生時代を過ごした思い出深い都市である。


平常時であれば、わずか1時間未満で行き来できる神戸市や阪神間各都市の危機的な風景と、大阪市の普段と変わらない平穏な日常風景の対比も忘れがたい。


お笑いタレントが出演するバラエティー番組は、食事時にチラミするのにはいい。しかし、放映時間の大半を占めているのにはうんざりするが、気合いの入った番組はやはり見応えがある。
記念番組の企画実現に奮闘した、関西テレビの関係者に敬意を表したい。