「検索連動広告」を実施すれば「あなたのホームページに全国のお客さんが押し寄せる」?!

まず、第一に指摘しておきたいのは、インターネットで情報を検索する行為の前に、インターネット外のメディア=TV・新聞・雑誌や口コミ等で何らかの情報=サイトの存在や名称を認知した上でアクセスしている場合が圧倒的に多いということです。Overtureの新聞広告では「検索連動広告」により集客力をアップできることをアピールしています。可能性はありますので、嘘ではありません。しかし、個人や中小企業の運営する無名のサイトに、ある日突然「全国のお客さんが押し寄せる」という美味しい話は、宝くじと同じく、あり得ない話ではないが実現する確率は極めて低いと考えるのがコモンセンスでしょう。
例えば、下記リストをごらんいただけば、サイトへのアクセス数はネットで検索エンジンを利用する以前のプロセスが左右している可能性が高いことが推察されると思います。
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Yahoo!JAPANの「2005年検索ワードランキング」
順位:キーワード(前年順位)
1位  2ちゃんねる(1位)
2位 Google (2位)
3位 楽天 (4位)
4位 goo (3位)
5位 Amazon (7位)
6位 JAL (5位)
7位 ANA (9位)
8位 MSN (11位)
9位 livedoor(32位)
10位 hotmail(8位)
http://picks.dir.yahoo.co.jp/new/review2005/
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検索ワードの総合ランキングTop10はいずれも固有名詞です。Top30まで拡大しても「検索連動広告」が本来想定している一般名詞・普通名詞による検索ワードは「壁紙」「地図」「郵便番号」「ハローワーク」「郵便局」だけであり、「旅行」「保険」「不動産」といった検索ワードはランク外です。つまり、ネットで検索する以前にアクセスしたいサイトの存在や名称はすでに認知されていることが多いということです。
1位「2チャンネル」は、ネットユーザー間の口コミがメインと想定されますが、以下の検索ワードランキングには、マスコミによる報道の影響が明らかにみてとれます。livedoorの検索数急増は、フジTV株式買い占め・プロ野球参入につづく「ホリエモン参議院選挙出馬などによる注目度・知名度の急上昇抜きには語れません。