梅田望夫氏「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」を読む

遅まきながら梅田望夫氏著「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」:ちくま新書を読んだ。著者は「はてな」の顧問でもあるらしい。世間は狭いね。「はてなマップ」の開発経緯が「グーグルマップスAPI公開」に関連したコメント(p124-129)に紹介されている。
http://www.chikumashobo.co.jp/top.html
「本当の大変化はこれから始まる」という副題のとおり、「自由・平等・博愛」をスローガンに第三階級が蜂起したフランス革命に匹敵するような大革命が、コミュニケーションの世界でグローバルな規模で進行している現状と今後の展望が詳細に分析されている。
新聞・TV・雑誌・ラジオといったアナログメディアだけではなく、Yahoo!Microsoftまでも旧体制=アンシャンレジューム側に追いやる革命勢力が「不特定多数無限大」の個人であり、その旗手がGoogleという論評である。
私がWEB広告担当者として仕事をはじめて2年あまり。WEB2.0環境におけるこの間のメディアの革命的な変化は日々実感しており、ネット専業広告会社の実力があなどりがたいことも十分承知している。ウェブ進化を論ずる著者の分析は的確であるが、それだけに、旧体制側に属する広告代理店に勤務する立場としては、危機感を感じざるを得ない。また一方で、インターネットが魔法の杖にように礼賛されたりする風潮には疑問を感じざるをえない。