「ウェブ進化論」第三章:ロングテールとWEB2.0

アナログ系広告代理店のWEB広告担当者として注目したのが、ロングテールWEB2.0に関する言及内容。日頃、インターネット広告の過大評価、なかでも検索連動広告やアフェリエートなどの過大評価には腹立たしい思いをすることが多いので<大組織の「よし、これからはロングテールを狙え」は間違い>と題したP110〜112の内容にはまったく同感である。
何だかよく分からないけれど、いま話題のインターネット広告手法だから試してみようという手合いの話が近頃ずいぶん多くなった。たとえば、ある営業から検索連動広告を実施したいという話が来る。どのようなキーワードでどのようなサイトへ集客しようとしているのか確認すると、「よく分からないけれど、クライアントがとにかく出稿したいと言っている」と答える。また、別の営業からはアフェリエート広告を実施したいという話がある。「個人ブログとか危ないH系サイトにも広告がでたりするかも知れないけれど、それでもいいか」と確認すると「それは、困る」という返事。また、あるマーケ担当者からは経営者限定の某SNSに広告を出したいという話がある。某SNS運営企業に確認すると会員は数百人という回答。SNSは既存顧客の囲い込みとかサポートに使うのはいいけれど、新規顧客の集客に使うのは筋違い。第一ユーザー数が少ないし、mixiのように会員の多いサイトに広告をだすなら他のサイトに出すのと変わらない。経営者層にアピールしたいのなら、他にいくらでもいい媒体や手法があると答えると「通常のサイトへのバナーとかメールでは企画書に新鮮味がない」という回答。一事が万事である。
WEB広告が注目されてきたこと、時代の新潮流に興味関心をもつこと、新しい広告手法にチャレンジしようとすること、それ自体は歓迎すべきだけれど、あまりの無知さ・不勉強ぶりには辟易せざるを得ない。