Google大阪支社開設記念イベント

Google Evening in OSAKAと題したGoogle大阪支社開設記念イベント:セミナーの部に出席して来ました。会場はネット関係代理店カンファレンスで定番のホテル、リッツ・カールトン大阪。
入り口が分かりにくく内部も迷路のようなつくりで、都心の隠れ家Hide-awayの趣があります。
出席者は代理店だけではなく広告主も含まれていることもあってか、400〜500人もの規模で大盛況でした。当世風のスマートないでたちをした20才〜30才代の若者達が大半を占める会場に、白髪まじりのオジさんが紛れ込んでいるのは場違いな感じ。正直、あまり居心地はよくありません。
セミナー自体の内容は大したことはなく、大阪支社開設記念のお披露目イベントです。
世界20カ国にあるGoogleネットワークのなかで2カ所以上の事務所を構えているのは数少ないとのこと。ただし、大阪支社の常駐スタッフは1名。ビルの名前から推察すると、電話取り次ぎ&秘書サービスを備えたワンマンオフィスです。同じビルにはライバルOvertureの大阪支社もあるはずです。世界的にはトップクラスの企業ですが、日本にはYahoo!JAPANというガリバーが君臨しているため倹しいスタートです。2001年?に3名で発足したということですが、Google日本法人の社員は現在100名程度とか。以外に社員数が少ない感じがしますが、WEB2.0の代名詞ともいえる企業ですから前途洋々でしょう。
スタッフ紹介で意外だったのは、CEOの村上氏がハイテク企業Googleのトップらしからぬ風貌をしていること。善くも悪くもアナログビジネスの世界のオジさんといった印象でした。実務担当の若いスタッフが、いかにも時代の先端をいくIT企業社員らしい雰囲気なのと比較すると対照的です。
セミナーの中で興味深かったのは、Google日本法人が日本で営業を開始したころのエピソード。
アドワーズの第一号クライアントは「逸品」というEC系サイトだったそうです。東京の企業では見向きもされず苦労していたところ、いち早くその価値を評価して広告主になったそうです。
インプレッション効果を重視する従来のマスメディア広告に対して、Googleアドワーズは全く異なる価値体系にもとづくOne to Oneマーケティング手法であることを直感的に見抜いたのだと思います。従来の広告は、広告に対する反響や効果とは関係なく、露出した時点で広告費が課金されます。広告に効果があろうがなかろうが広告主は所定の金額を支払わなければなりません。嫌み半分に言われることですが、広告主には不利で、広告代理店や媒体の立場から見て都合の良いシステムです。これに対して、Googleアドワーズはユーザーをサイトへ集客した時点で広告費が課金されるシステムですから、広告主の立場からは極めて合理的なシステムです。資金力のない中小企業でも、身の丈に応じた予算の範囲内で無駄撃ちのリスクなく広告出稿して商売に結びつけることができることを見抜いたのは、実利指向の大阪商人ならではといえるでしょう。
同じ検索連動広告でも、表示順位の決め方がOvertureとGoogleでは本質的に異なります。結論的にいえば、Overtureが資金力のある大企業に有利なのに対して、Googleは資金力に乏しい個人や中小企業であってもユーザーのニーズに応える商品やサービスを提供しているのであれば、極めてローコストで広告できる機会平等の民主主義が原則です。
私個人も仕事で最も良く使うのがGoogleであり、ファンのひとりなのですが、アナログ系広告代理店に勤務する一社員としては、手放しの礼賛が出来ないのが残念です。
従来のマスメディアでは広告の露出機会やスペースは、媒体や広告主が決定していたが、Googleではユーザーが決める。ユーザーのニーズのあるところに、それにふさわしい最適の商品やサービスが「広告」という名を冠してではあるが、有益な情報として表示されるというコメントが印象的でした。