Yahoo! PR企画「コークプリーズ!」キャンペーン

コカコーラが面白いキャンペーン:Yahoo! JAPANとタイアップした特集PR企画を実施中です。ワールドカップに協賛したキャンペーンで、期間は5月1日〜6月30日。
Yahoo! JAPANで「コークプリーズ!」と検索枠に入力すると、キャンペーンのトップページ
http://promotion.yahoo.co.jp/cocacola/
が表示され、プレゼント企画などに応募できる仕掛けになっています。

キャンペーンのトップページの主要コンテンツは、Yahoo! JAPANのトップページと同じですが、地色はコカコーラを象徴する赤。インデックス部分を除くスペースをコカコーラの広告が埋め尽くしています。電車の駅ジャックとか車両ジャックにみられる、広告によるスペースジャック手法をネットで展開しているわけです。
検索機能等はYahoo! JAPANの通常のトップページと同じなので、ネットの起動ページ:初期設定のホームページ画面としても使えます。結構多くの人が壁紙がわりに使うかも知れません。

企業サイトへのアクセス促進対策として、URLを短くわかりやすいものにするのは常套手段ですが、キーワード連動広告を利用してサイトへアクセスしやすくするショートカットの方法も検索連動広告の上手な使い方として定着してきました。三井不動産その他、日本を代表するデベロッパーがオールキャストで事業主となったベイエリア開発プロジェクトが、スマップを起用して展開したTVとネットの連動キャンペーン<「芝浦の島」で検索してください>が昨年話題を集めましたが、このキャンペーンもPPC広告をうまく使ったクロスメディア型キャンペーンとして広告史に残る作品のひとつでしょう。

昨年の「芝浦の島」キャンペーンでは、「芝浦の島」でキーワード検索した結果ページで、大金を投入して誘導先に設定した公式HPよりも個人ブログが上位表示されるというブラックジョークがありました。SEOランキングとしては公式HPよりも個人ブログがランク上位と評価されたわけです。
今回のキャンペーンでも、ロングテールが支配するネットを大手企業が広告媒体として利用しようとする際の限界が垣間見えます。たとえば「コークプリーズ!」と正確に入力して検索したときは問題ないのですが、末尾の「!」なし「コークプリーズ」や、字間を一画空白にした「コーク プリーズ!」で検索するとキャンペーンページは表示されません。このへんが、詰めの甘さというか、画竜点睛を欠くところ。無数の個人ユーザーがイニシアティブを握る直接民主主義のインターネットを、資金力がモノをいう従来のマス広告の論理=専制君主主義の論理で企業が情報操作をしようとする限界が露呈した、といえるのではないでしょうか。