「はてな」のアメリカ進出:近藤淳也氏とチェ・ゲバラ

popoya2006-09-03


ゴロ寝ですごしたお盆休み以来、日記の更新をさぼっていたが、久しぶりにPCに向かって驚いた。Web2.0ブームの火付け役であり「はてな」の経営ボードの一員でもある梅田望夫氏のブログ
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060822/p1
によれば、「はてな」代表の近藤淳也氏が奥様と愛犬を連れてシリコンバレーへ引越してしまったらしい。
Web2.0CGMを代表する「mixi」と「はてな」であるが、今夏「mixi」が株式上場をしたのに対して、「はてな」は株式上場ではなく、代表自らがネットの本場に進出するという途を選んだということだ。

アメリカ進出については、イチローやヒデに対比して賛同する意見が多いようであるが、私自身としてチェ・ゲバラのイメージとオーバーラップしている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/チェ・ゲバラ
若い世代の人々にとってチェ・ゲバラという名前はなじみがないかも知れないけれど、1960年代後半から70年代前半の全共闘世代のヒーローだった人物だ。
カストロと共にキューバ革命を成功させた功労者であり、革命政権のもとでキューバ国立銀行総裁、工業相、キューバ統一革命組織幹部会員などを歴任した大物政治家でありながら、職を辞して革命の現場に復帰し、ゲリラ部隊とともに行動中殺害された。
友人と共にチャレンジしたバイクによる12,000キロの南米旅行記は、2004年にロバート・レッドフォード主演の映画:モーターサイクル・ダイアリーズとして公開されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/モーターサイクル・ダイアリーズ


株式会社はてな、米国シリコンバレーに子会社設立:会社創立5周年を機に世界的サービスの展開へ」と題して、7月14日に発表されたニュースリリース
http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatenapress/20060714/1152840500
では、株式会社はてなが「Hatena Inc. を100%子会社として米国シリコンバレー、Los Altos 市に設立、近藤淳也が同代表に就任する」と公表されてはいるけれど、社員の誰かを現地に派遣するのではなく、代表自身が赴任するというのは「世間の常識」からは想定外である。

上記ニュースリリースの中で、「代表を務める近藤からの声明」として公表された

今回の取り組みは、結果の見えない大きな挑戦だと考えています。組織が分散
し、はてなの成長を阻害する可能性もあると思います。しかし、このような取
り組みなくして、真に日本を代表するインターネット企業とはなり得ないとい
う自覚のもと、成功を目指して最大限の努力を行っていきたいと考えています。

というコメントの背景は、上記:梅田望夫氏のブログに的確に要約されていますが、「カネで買えないものはない」というホリエモンの偽悪的な言い草の本質を十分承知し、社員の生活基盤を左右する経営者としての責任を十分自覚した上での決断であったことが推察されます。

近藤淳也氏自身のコメントもITmedia NEWSに紹介されていますが、創業以来のメンバーと社員を信頼して我がままを通した近藤氏と、後を託された「はてな」スタッフに心からのエールを贈ります。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0607/14/news031.html