インターネットは新聞を殺すのか?

8月から準備をすすめていた仕事=新聞社WEBサイトでの新コンテンツ開設に協賛した広告特集にようやく目処がたった。おかげでブログの更新も随分サボッてしまった。途中で匙を投げそうになったことも再三あるが、何とか企画倒れに終わらずに済みそうだ。
オールドメディア・抵抗勢力の代表のような新聞であるが、「腐っても鯛」。巻き返しに懸ける心意気にリストラ世代のオヤジとしても共感し、かなり気合いのはいった仕事である。

mixiの上場を始め、YouTubeと米3大ネットワーク局の1つNBCとの提携など、インターネットに関連したニュースが業界内だけではなく一般マスコミにも大きく取り上げられる時代になった。広告業界ではCGMやバズマーケティング等も日常会話になってきた。
群衆心理に左右され勝ちな日本人の習性とはいえ、インターネットの過大評価が目に余る状況である。

例えば、インターネットの場合、媒体資料としては月間のアクセス状況を示す数値が用いられることが通常である。Yahoo! JAPANでは、ユニークブラウザ数(重複を省いた接触者の実数)を約1,200万と公表している。全国紙の発行部数でみると読売新聞が約1,000万部、朝日新聞が約800万部。Yahoo! JAPANの方が上回っているように見えるが、1日数時間も利用するヘビーユーザーから、月に1〜2回アクセスする程度のライトユーザーを含むアクセス数である。定期購読者が大半を占める新聞の発行部数と同じ土俵で論じるのは不公平であろう。

日本新聞協会では、広告媒体としての新聞のメリットを下記サイトにまとめている。
全国で発行される日刊紙は、52,568,032部。宅配システムによる定期購読者が大半であり、購読世帯内で回読されるため実質的な読者はさらに多くなるといった特性が各種のデータと共にアピールされており、多少の我田引水はあるとはいえ、再認識するには格好の素材ではある。

日本新聞協会:新聞広告データアーカイブ
クイックツアー「新聞広告とデータ」
http://www.pressnet.or.jp/adarc/qt/index.html

とはいえ、新聞の凋落ぶりを裏付けるデータにも事欠かない。
一例が、新聞非購読者層の拡大である。

日刊紙の発行部数は1995年:5,285万部→2005年:5,256万部と微減であるが、セット部数は1995年:1,919万部→2005年:1,711万部=約200万部の減少。同じく、世帯数は1995年:4,423万世帯→2005年:5,038万世帯=約600万世帯増。この結果、1世帯当たり部数は1995年:1,19→2005年:1.04に低下。
セット部数は、朝刊・夕刊のセット部数。すなわち、この10年間で都市部での新聞購読部数が大幅に減少したことが明らかだ。
背景にあるのは、少子高齢化・晩婚化・リストラ・雇用形態の変化=ワーキングプアの増加といった、バブル崩壊後この10年の日本経済や社会構造の大変化である。根っこが深いだけに、前途多難といわざるを得ない、

日本新聞協会:新聞の発行部数と世帯数の推移
http://www.pressnet.or.jp/