パチンコ業界:売上高=市場規模30兆円弱の巨大マーケット

TVを見ていて、最近、気になることがある。パチンコ業界のCMが多くなった感じがするのだ。調べてみると2000年頃に規制緩和し、パチンコ業界のTVCMが解禁されたようだ。業界の大手広告代理店も積極的に営業を推進しているとのことである。消費者金融のCMが減少した反面、当業界のCMが増加したように思えるのも理由のない話ではない。
マーケットサイズは、平成18年現在で約27兆5,000億円。広告業界が約7兆円であるから約4倍という市場規模である。ちなみに、外食産業の市場規模・約25兆円、自動車製造業の市場規模・約25兆円、国民医療費・約30兆円、といったところ。レジャー関連業界全体の市場規模は約80兆円。うち30兆円弱がパチンコ業界の市場なので、巨大なマーケットであるのには間違いない、

社団法人 日本遊技関連事業協会(日遊協)のWEBサイト<パチンコ産業界唯一の公益法人。ホール、メーカー、販売商社、景品卸し、その他関連企業が参加する、唯一の横断的組織>によれば、パチンコ産業の現況および市場環境の推移は以下のとおり。
http://www.nichiyukyo.or.jp/index.html

◎パチンコ産業の現況と推移

項目        平成7年 平成12年 平成18年
売上高(億円)    309,020 286,970  274,550
参加人口 (万人)  2,900 2,020 1,660
年間平均活動回数  23.7 23.9 28.1
パチンコ店 17,631 16,021 12,588
パチスロ専門店等 613 967 2,086
パチンコ機 3,830,626 3,422,650 2,932,952
回胴式遊技機 704,057 1,323,729 2,003,482

売上高(貸し玉料金):平成7年は約31兆円であったが、平成13年まで逓減。平成14〜16年に増加へ転じたが、平成17年・18年は再び減少し、平成18年は約27兆5,000億円。全国のパチンコ店・パチスロ専門店の合計店舗数は約1万5,000店なので、1店当たりの平均売上げは約18億円となる。
年度別の推移をみると、参加人口は平成7年は2,900万人であったが、平成18年は1,660万人に1,200万人以上減少している。当然、売上げも減少するはずなのだが、大幅な減少にはいたっていない。
その理由は、1人当たりの売上げが、平成7年・106万円に対して、平成18年・165万円に上昇している。計算間違いではないかと思って確認してみたが、年平均利用金額に間違いはない。自動車1台が購入できる金額であり、レジャーに投じる「遊興費」としては余りにも巨額である。ギャンブルが事実上公認されているのに等しい。
この背景には、パチンコ機が380万台から290万台に減少しているのに対して、回胴式遊技機=スロットマシンが70万台から200万台に急増していることがある。ひとり当たりの客単価上昇の背景もこのあたりにありそうだ。
いずれにしても、手軽に安く遊べるパチンコ=庶民のレジャーというイメージとは、ほど遠いのが現状のようである。