Googleコンテンツ連動広告の「暴走」問題

電通が2月20日発表した日本の広告費調査によると、マスコミ4媒体は2年連続で前年割れなのに対して、2006年のネット広告費は3割増の3,630億円。ラジオの2倍を超え、雑誌に迫る勢いとのことである。ご同慶の至りであるが、ネット広告担当者として実務に携わる視座からみると、広告媒体としてのインターネットを手放しで礼賛するわけにはいかない。

一例が、WEB2.0を代表するIT企業Googleのコンテンツ連動広告「暴走」問題である。
Google検索連動型広告は、広告表示そのものに対して課金される従来の広告システムではなく、ユーザーが広告をクリックして広告主のサイトへアクセスした時点で課金される成果報酬型。広告メニューは、1)キーワードターゲティング、2)コンテンツターゲティング、3)サイトターゲティングの3種類がある。2)3)はアドセンスという名で提携サイトのネッットワークを形成しており、いわゆるアフェリエート広告の一種とも位置づけることができる。

Googleアドセンスガイド
https://www.google.com/adsense/afc-online-overview

1)キーワードターゲティングの広告掲載結果は比較的コンスタントであり安定しているが、問題は2)コンテンツターゲティング広告の掲載結果が劇的に増加して、実際の広告費が予算を大幅に上回る場合があること。

例えば、前月の表示回数万件だったのに、当月は数十万件〜数百万件に急増し、クリック数=広告費が桁違いに増加することがあるのだ。私の扱ったクライアントの異なる数案件で実際に体験している。

当社にはGoogleアドワーズの代理店資格がないので、SEM専門代理店を経由してオペレーションしている。仲介者・SEM専門代理店に問い合わせたところ、キーワードターゲティングの表示順位アップや掲載承認サイトの逐次増加によってありうる現象である。Overtureと異なりGoogleでは予算限度に達しても自動停止できないので、手動マニュアル停止する他ない。毎日チェックしてON/Offすることも技術的には可能ではあるが、当社のオーダー予算では対応が不可との見解。
万事カネ次第、自己責任の当世ではあるが、困った問題であるのには変わりがない。